近年、健康意識の高まりとともに「日常のデータを活用したセルフケア」が注目されています。スマートウォッチで心拍数や歩数を記録したり、睡眠の質をアプリで管理したりと、健康状態を“見える化”する取り組みが広がっています。
最近では、スマホで排便の記録をつけ、IoT機器を通じて自動的に体調をチェックできる「スマートトイレ」も登場し、トイレが新たな健康管理の拠点として注目されています。
この記事では、トイレで健康管理が行える仕組みやその活用方法、スマートトイレを導入する際のチェックポイントについてご紹介します。
トイレで健康管理?
トイレで健康管理とはどのようなことなのでしょうか?まずは、その概要について簡単に紹介します。
IoTやセンサー技術で健康データ活用へ進化中
近年、IoTやセンサー技術の発達により、トイレの機能は「排泄の場」から「健康データを収集する場」へと進化しています。具体的には、便座や便器内にセンサーを備え、排便の回数・時間・水分量・成分などを自動的に検出・記録するトイレが登場。
たとえば、TOTOが開発を進めている「便スキャン」は、排泄物を自動で分析し、健康状態の変化を可視化する次世代トイレとして話題を集めています。これにより、普段何気なく使っているトイレが、家庭の中で手軽に健康をチェックできる“ヘルスケアステーション”へと変わりつつあるのです。
排便記録から生活習慣の気づきに
排便は体の調子を反映する“健康のバロメーター”といわれます。便の形・色・におい・量の変化から、腸内環境やストレス、食生活の乱れを把握できることもあります。
最近では、排便記録をスマホアプリで簡単に入力・管理できる仕組みが広まりつつあります。アプリでは、日々の記録をグラフ化して傾向を把握し、生活改善のアドバイスを受けられるものもあり、健康管理の一環として取り入れる人が増えています。
また、タンクレストイレのようにシンプルで清潔感のある設計のトイレは、センサーやアプリとの連携もしやすく、日常生活の中で自然に健康チェックを取り入れることができます。トイレの習慣とテクノロジーを組み合わせることで、無理なく継続できる“新しい健康習慣”が実現しつつあります。
最新タンクレストイレで実現する“排便記録”の仕組み
トイレで排便記録が行える仕組みについて紹介します。
「便の形・色・量」を測定する仕組み
TOTOの最新タンクレストイレ「ネオレストLS-W/AS-W」には、排便を自動で解析する革新的な機能「便スキャン」が搭載されています。
便器内に設けられたLED光とセンサーが、落下中の便を検知し、その形・色・量を瞬時に測定。形は「ブリストル便スケール」を参考に7タイプに分類され、色や量も独自のアルゴリズムで解析されます。
利用者はトイレに座るだけで自動的に認識されるため、面倒な操作は不要。毎日の排便データを手間なく取得できるのが大きな特長です。
アプリと連携し傾向やリコメンドを表示
▲計測した日をカレンダーに表示します。月ごとの傾向はグラフで分かりやすく表示
取得したデータは、専用のスマートフォンアプリ「TOTOウェルネス」にBluetoothで自動転送されます。
アプリ上では、日ごとの排便記録がカレンダー形式やグラフで確認でき、週・月ごとのレポートで傾向を視覚的に把握できます。
▲1週間(もしくは1ヶ月)の傾向を分析し、分かりやすく表示
▲最新のデータに基づいた生活習慣の気づきとなる情報を提供
さらに、排便傾向に応じて「食物繊維を増やしましょう」「水分補給を意識しましょう」といったリコメンド(気づき)も表示され、生活習慣の改善を後押しします。データの蓄積によって、自身の腸内リズムや体調変化をより的確に把握できるようになります。
日常の習慣として定着しやすい設計
排便記録と聞くと手間がかかる印象を持つかもしれませんが、ネオレストの便スキャンは普段どおりのトイレ使用+リモコン操作だけで記録が完了します。
アプリの利用も無料で、1台のトイレに最大6人まで登録可能。家族全員で使い分けられる設計のため、家庭内での健康習慣として自然に定着しやすい点も魅力です。
IoTと日常生活が融合することで、トイレが“健康チェックの入り口”となる時代。タンクレストイレのスマート化が、より身近なヘルスケアを実現しています。
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便スキャンできるトイレ導入前のチェックポイントは?
便スキャンができるトイレを導入する際のチェックポイントを紹介します。導入を検討している方は以下のポイントをチェックしましょう。
健康管理の目的に応じた選び方
便スキャン機能を搭載したトイレを導入する前に、まずは自分がどのような目的で健康管理をしたいのかを整理しましょう。
たとえば、「毎日の排便を自動で記録して体調の変化に気づきたい」「健康習慣を自然に続けたい」という方には、TOTOの「ネオレストLS-W/AS-W」など、便スキャン搭載モデルが最適です。トイレに座るだけでデータが蓄積されるため、無理なく継続できるのが魅力です。
一方で、「シンプルに記録できれば十分」という場合は、スマートフォンの排便記録アプリを利用する方法もあります。まずはアプリで習慣化してから、本格的なトイレ導入を検討するのもよいでしょう。
コスト・設置条件を確認
便スキャン機能付きのトイレは、センサーや通信機能など高度な技術を搭載しているため、コストが気になる方もいるかもしれません。しかし、「健康習慣への長期的な投資」と考えれば、将来的な健康管理コストの軽減につながる価値ある選択と考えられます。
また、導入時には、トイレのリフォーム状況や配管・電源の有無など、設置環境を事前に確認することが重要です。配管位置やトイレスペースの制約によっては、対応できるモデルが限られるケースもあります。施工業者やメーカーに相談し、設置条件を満たす機種を選びましょう。
プライバシーと家族の管理バランス
排便データは非常にパーソナルな健康情報であるため、プライバシーへの配慮も欠かせません。家族でトイレを共有する場合は、個人ごとにデータを分けて管理できる設計かどうかを確認しておくことが大切です。
TOTOの「TOTOウェルネス」アプリのように、ユーザー認証機能を備え、利用者ごとのデータを分離して記録できる仕組みであれば安心です。家族全員がそれぞれの健康情報を守りながら利用できるため、安心して習慣化できます。
まとめ
毎日欠かさず使うトイレは、実は自分の体調を最も正直に映し出す場所でもあります。IoT技術の進化によって、排便の状態を自動で記録・分析できる「スマートトイレ」が登場し、健康管理の方法はこれまで以上に身近で手軽なものになりました。
TOTOの「ネオレストLS-W/AS-W」に搭載された「便スキャン」機能のように、トイレに座るだけで便の形・色・量を測定し、アプリでデータを確認できる仕組みは、これからの時代の“家庭内ヘルスケア”の新しい形といえるでしょう。
導入にあたっては、健康管理の目的やコスト、設置条件、そして家族での利用方法といったポイントを整理し、自分たちの生活に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
毎日のトイレ時間を「ただの習慣」から「体を見つめる時間」に変えることで、病気の早期発見や生活リズムの改善にもつながります。タンクレストイレのスマート化が進む今こそ、トイレを“健康チェックの第一歩”として取り入れてみてはいかがでしょうか。
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