キッチンで毎日使う換気扇（レンジフード）は、調理中の油煙やホコリが付着しやすく、放っておくとベタつきやニオイの原因になります。汚れがこびりつくと掃除が大変になるだけでなく、換気効率の低下やモーターの故障を招くおそれも。
この記事では、キッチン換気扇が汚れる原因や、自宅でできる掃除方法、汚れの種類に合わせた落とし方のコツ、さらに掃除をラクにするポイントまで詳しく紹介します。定期的なお手入れで、清潔で快適なキッチン環境を保ちましょう。
キッチンの換気扇（レンジフード）が汚れる原因と掃除の重要性
※画像はイメージです。
キッチンの換気扇が汚れる原因や重要性について紹介します。
換気扇（レンジフード）が汚れる原因
キッチンの換気扇・レンジフードが汚れる主な原因は、「油煙」と「ホコリ」です。調理中に発生する油煙は、空気中を漂いながらホコリと結びつき、レンジフード・フィルターやファンの表面に付着します。
この油分を含んだ汚れはベタつきが強く、時間が経つほど酸化・硬化していき、簡単には落とせなくなります。特に揚げ物や炒め物を頻繁に行う家庭では、短期間でも頑固な油汚れが蓄積しやすくなります。
キッチンの換気扇（レンジフード）の掃除は必要？
換気扇（レンジフード）の掃除を怠ると、次のような問題が起こりやすくなります。
換気効率の低下
フィルターやファンに汚れが詰まることで、吸い込み力が弱まり、調理中の煙やニオイが部屋にこもりやすくなります。
異臭やカビの発生
油汚れが湿気を吸うと、雑菌やカビの温床になり、嫌なニオイを発する原因になります。
モーターへの負担増加
ファンが重くなり、モーターに負荷がかかることで故障や寿命の短縮につながるおそれがあります。
定期的な掃除を行うことで、こうしたトラブルを防ぐだけでなく、換気性能を保ち、快適なキッチン環境を維持することができます。特に2〜3か月に一度を目安に軽い掃除を、半年〜1年に一度は分解清掃を行うと良いでしょう。
キッチンの換気扇（レンジフード）の掃除方法は？
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キッチンを清潔に保つためには、換気扇（レンジフード）のお手入れが欠かせません。ここでは、部品ごとの掃除方法や注意点をわかりやすく紹介します。
掃除前の確認ポイント道具、手順は？
まずは、掃除前に確認したいポイントと必要な道具、基本的な手順を紹介します。TOTOのレンジフードのお手入れ方法を例にご紹介します。
【掃除前に確認すること】
- 電源を必ず切る：運転中に作業すると事故や故障の原因に
- 手袋を着用：ファンの角などで手を切るおそれが
- 取扱説明書を確認：機種により取り外せる部品が異なる
- 「お手入れスイッチ」や「ロックモード」がある場合は必ず設定してから作業する
【準備する道具の例】
| 台所用中性洗剤 | 油汚れを落とす基本の洗剤。刺激が少なく、フッ素コート面にも使用可 |
|---|---|
| ぬるま湯（40℃前後） | 油汚れをゆるめ、洗剤の効果を高める |
| スポンジ（やわらかめ） | 部品やフードの表面をやさしく洗う。傷つき防止に柔らかい面を使用 |
| 歯ブラシ・細ブラシ | フィルターの溝やファンのすき間など、細かい部分の汚れ落としに |
| 布巾・マイクロファイバークロス | ぬるま湯拭きや仕上げのから拭き用 |
| キッチンペーパー | 汚れの下処理（油の拭き取り）や、洗剤を染み込ませてパックする際に使用 |
| ゴム手袋 | ファンや金属部の角で手を傷つけないために必須 |
| 新聞紙・キッチンマット | 部品を置く際や床を汚さないために下に敷く |
| ゴミ袋 | 汚れたキッチンペーパーや使い捨て手袋の処分用 |
| バケツ・洗面器 | 部品のつけ置き洗いに便利。ぬるま湯と洗剤を混ぜて使用 |
| ジップロック・ポリ袋（厚手） | フィルターやファンを袋に入れ、つけ置き洗いする際に便利 |
| スクレーパー | こびりついた油汚れを削る際に。金属製はキズの原因になるのでNG。 |
| 重曹・セスキ炭酸ソーダ | 頑固な油汚れを落としたいときの補助洗剤。アルカリ性で油を分解 |
【掃除の基本的な流れ】
- 換気扇の電源を切り、フィルター・整流板・オイルパック・ファンなどを取り外します。
- 部品にぬるま湯をかけて汚れをやわらかくし、台所用中性洗剤を含ませたスポンジで洗います。
- 落ちにくい汚れは、洗剤を溶かしたぬるま湯に10〜15分ほどつけ置きすると効果的です。
- 洗剤が残らないように水でよくすすぎ、乾いた布で水分をふき取ります。
- 最後にフード内側・外側を水拭き→から拭きで仕上げます。
部位ごとの掃除方法は？
部位ごとの掃除の方法を以下にまとめます。
フィルター
取り外してぬるま湯で湿らせた歯ブラシやレールブラシでこすります。台所用中性洗剤を含ませたスポンジで仕上げ洗いし、水拭き・から拭きで完了です。
整流板
中性洗剤を含ませた布やスポンジで拭き取り、水拭きで仕上げます。汚れがひどい場合は取り外してシンクで洗いましょう。
オイルパック
少なくとも月に1回は確認・清掃を。油をキッチンペーパーで拭き取った後、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、乾いた布で水気をふき取ります。
フード内部
ぬるま湯に浸した布で軽く拭き、必要に応じて中性洗剤を薄めた溶液で再度拭き取ります。落ちにくい汚れは、中性洗剤を含ませたキッチンペーパーを貼り付けてしばらく置くと、油が浮き上がって落ちやすくなります。
ファン
取り外し可能な場合は、ぬるま湯＋中性洗剤で洗い、柔らかいスポンジでやさしくこすります。乾燥後、しっかり取り付けてから運転してください。
掃除の頻度は？
| フィルター | 2〜3か月に1回 | 油汚れが目立つ前にこまめに洗う |
|---|---|---|
| 整流板 | 2〜3か月に1回 | 外せる場合はシンクで洗浄 |
| オイルパック | 月1回 | 油がたまる前に確認 |
| フード内部 | 半年に1回 | ぬるま湯と中性洗剤で拭き掃除 |
| ファン | 年1回（※一部機種は不要） | 取説を確認のうえ安全に作業 |
ここでご紹介した掃除方法は、以下の記事でも解説しています。よりくわしく知りたい方は合わせてチェックしてみてください。
こんなときはどうする？汚れ別の掃除のコツ
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換気扇（レンジフード）の汚れは、放置時間や調理頻度によって落とし方が変わります。ここでは、頑固な油汚れと軽い汚れそれぞれに合わせた掃除のコツを紹介します。
頑固な油汚れ
時間が経って固まった油汚れは、通常の洗剤だけでは落としにくくなります。以下のような方法を試してみてください。
重曹ペーストでパックする
重曹に少量の水を加えてペースト状にし、汚れ部分に塗って10〜15分放置。油分を浮かせてからスポンジで拭き取ります。
セスキ水をスプレーして拭き取る
セスキ炭酸ソーダを溶かしたスプレーを吹きかけ、数分後に布で拭き取ると、酸化した油汚れが落ちやすくなります。
お湯で温めて落としやすくする
40〜50℃程度のぬるま湯を汚れにかけて油分を柔らかくしてから洗うと、洗剤の浸透力が高まります。
軽い汚れの場合
日常的に掃除していれば、軽い汚れは簡単に落とせます。
中性洗剤で簡単に拭き掃除
台所用中性洗剤を薄めたぬるま湯を布に含ませ、軽く拭くだけで十分です。
使い捨てクロスでサッと拭く
調理後にサッとひと拭きするだけでも、汚れの蓄積を防げます。
フィルターシートで予防する
市販のフィルターカバーを取り付けると、油煙の付着を大幅に減らせ、掃除の頻度も少なくなります。
キッチンの換気扇（レンジフード）の掃除をラクにするポイントは？
※画像はイメージです。
掃除の負担を減らすためには、「汚れをためない工夫」が大切です。日常的なお手入れと定期的なメンテナンスを組み合わせることで、清潔な状態を保ちやすくなります。ここでは、掃除をラクにするポイントを紹介します。
日常的なお手入れで汚れを防ぐ
まずは、調理後に軽く拭く習慣をつけましょう。毎回の料理後に軽く拭くだけで、油汚れの蓄積を防止できます。また、市販のフィルターカバーを利用するのもおすすめです。汚れがフィルターに直接付かないため、掃除の手間を軽減できます。これらに合わせて。換気扇の掃除を毎月のルーティンにすれば、汚れが軽いうちに落とすことができ、頑固な汚れになるのを防げます。
プロのクリーニングを活用する
定期的なクリーニングは、換気効率の維持やモーター寿命の延長にも効果的です。プロに依頼することで、内部のシロッコファンやダクトなど、手の届かない箇所まで掃除でき、プロ専用の洗剤・器具で、分解洗浄まで行ってもらえます。年1回程度は、プロに清掃を依頼してみてもよいでしょう。
汚れが付きにくく落ちやすい換気扇を使う
長年使用している機種はコーティングが劣化し、油汚れがこびりつきやすくなります。最新モデルには「汚れが付きにくいコート」や「自動洗浄機能」を備えたタイプもあり、掃除の手間を大幅に軽減できます。
たとえば、TOTOの「ザ・クラッソ ゼロフィルターフードeco」は、お手入れが10年不要な換気扇（レンジフード）です。このようなモデルを導入することで、掃除の手間を大幅に減らすことができるでしょう。
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まとめ
キッチンの換気扇（レンジフード）は、油煙やホコリによって汚れが蓄積しやすい場所です。放置すると換気性能が落ち、異臭やカビの原因にもなります。定期的に掃除し、月に1度の簡単なお手入れを習慣化することで、頑固な汚れを防げます。重曹やセスキ炭酸ソーダを使えば、しつこい油汚れも効果的に落とせます。
さらに、年に一度はプロのクリーニングを利用したり、汚れが付きにくい新しいレンジフードに交換したりするのもおすすめです。日常的なケアと定期的なメンテナンスを組み合わせて、長く清潔で快適なキッチンを維持しましょう。
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